未分類

涙の訳

投稿日:

涙が堪えられなくて

今だから言えること。

福岡行きのバスに飛び乗った時、

それは分かった。

ノンストップだから、途中下車しようがない。

福岡から、急遽引き返そうかとも思ったが、

もう既に時遅し。

親の死に目に会えなかった。

ここは、グッと堪えてアポを優先しようと腹をくくった。

バスの中で、窓側に顔を向け、

サングラスの下から、秘かに涙を流した。

目的地に着いたら、

いつものようにふるまおうと決めていた。

何事もなかったかのように。

余計な心配、気遣いは不要だ。

すでに覚悟はしていた。

何年も続いた母親の闘病生活。

海外にいてもその実、気が気ではなかった。

親の死に目には会えないだろうと

その度に心に決めていた。

タビストの性だと。

親も分かってはくれていると、

自分に言い聞かせた。

本来、喪に服するところだが、

その後も重要なスケデュールで埋まっていた。

何か月も前から、

何度も打ち合わせを繰り返し、

その日が来たのだ。

メンバーに迷惑はかけられない。

外すわけにはいかない。

言えば、気を使わせることになるだろし、

なによりせっかくの明るい席に

暗い影を落とすことになる。

それは避けたかった。

表情に出すことさえグッと堪えた。

それでも、わずかに空いた時間を見計らって、

火葬だけはなんとか済ませた。

葬儀は出来なかった。

なんと親不孝な。

最後の最後まで親不孝だった。

不甲斐なさが情けない。

自分自身に腹が立った。

泊まり込みで

なんとか予定の任務を遂行した。

だが、

イベントの最後の夜、

とうとう堪えていた涙が堰を切ったように流れた。

恥も外聞もなく人前で泣いた。

涙の理由は一切言わなかった。

ただただ、泣いた。

泣いて、泣いて、泣いた。

――――――――――――――――――――――――

明後日(6月1日)からはまた海外に。

いけないことだが、

何か肩の荷が下りたようで、

これまでのようにもう気にすることなく海外に行ける。

今頃おふくろは

先に旅発ったオヤジと再会し、

仲良くやっているだろう。

親不孝をお許しください。

ゴメンなさい。

そして、

心から感謝します。

これまでありがとう。

 

-未分類

Copyright© かじえいせいオフィシャルサイト , 2018 All Rights Reserved.